2008年7月14日月曜日

行動基準・方法

戻れるトコしか行かない

難所を登ったり降りたりする前に一呼吸入れて考える。ここを降りたら上り返せるか? ここを登ったら今の装備で降りられるか? 無理なら撤退する。

現在地の特定と移動


必要な装備品。

  • 地図
    25000分の1地形図。現在位置の確認とこれから進む地形の予測に必要。予測が外れた場合、停止し検討。
  • コンパス
    進行方向のチェック。2つ携帯。停止時の詳細検討用のSilvaコンパス。大まかな進行方向チェックはProTrekの内蔵電子コンパスを使用。
  • 高度計
    登山道が明確かつ正確でOnRouteで移動中、かなり正確な位置が絞り込める。ProTrek内蔵の高度計を使用。
  • GPS
    目標物までの距離と方角を出せること。移動したトラックを記録できること。充電式ではなく乾電池で作動することが購入条件。ForeTrek101を使用。

行動パターン

  • 登山口に到着
    GPSをONに。後から方角と直線距離を計測できるように登山口の位置を記録。

    地図より等高線を読み取り、気圧高度計を調整。地図上の等高線と高度計の表示が一致していることを確認。

    地図から山に入るルートを読み、歩く地形を簡単にイメージして叩き込む。たとえば南東斜面を基本的に西進、右手が山頂方向、横切る沢なし、750m移動で尾根。尾根に出たら進路は北東へ。など。

  • 行動中(自信あり)
    イメージした地形と照らし合わせながら移動。自信を持って現在地を指し示せる位置をつないでいく。

  • 行動中(自信なし)
    冒頭の行動指針を守る限り何度でもやり直せる。水、食糧、防寒がそろっていれば、あとは事故らないだけで必ず帰れる。心を落ち着けたら、イメージと違う地形が現れたことを考察する。「単に地形図に現れないだけ」もしくは「道を間違えた」の二通りしかないため、それぞれを吟味する。

    地形図に現れないだけ

    樹林帯では割とよくある。自分がいると推測している場所の特徴を検討し、このまま進んだらどこに出るか考える。地形図から「次に場所が特定できる」特徴がある位置への距離と方角を考えて「撤退基準」を決める。

    (例)踏み跡がなくなったため自信を失った。もし、道を外していなければ高度計にしてあと50m下れば斜面の傾斜が緩くなり左手に沢があるはず。斜面が登り返せない、もしくは、これ以上予想と違う地形が現れるようなら撤退する。

    道を間違えた

    地形図で今までたどってきた進路を検討する。自信を持って「ここは歩いた」と断言できる場所から、今現在自分がいるはずなのにイメージと違う地形が現れた場所までの歩行可能な尾根、斜面、時間を検討し、間違える可能性をつぶしていく。「ここは間違えたかもしれない」という場所にチェックを入れて可能性のある全ルートを再チェックする。確実に自信を持っていた場所まで「撤退計画」をメモする。

    (例)鷹ノ巣から城山までのルートは迷いようがない。左手が尾根で斜面を降りてきた。撤退するときは右手に尾根をおいて登り返せばいい。

  • ピークや特徴のある地形
    地形図から等高線を読みとり高度計の高度を調整する。水場やピークなどはGPSに場所をマークする。見通せる目標物がある場合は、同定を行っておく。

現在地特定のコツ

尾根伝いなどルートが明確かつ高度差がある場所は高度計を積極的に使う。等高線が1mm間隔程度の場所なら±50m以下の精度で場所が特定できる。

逆に高度差があまりない場所は時計とコンパスを使う。見通しのいい場所ならクロスベアリングなどで目標物から位置を割り出す。見通しの悪い場所なら移動方向、斜面の方角と移動時間から大まかな位置を割り出せる。目標物を持たないまま、広い場所を歩かない。目標物がないならコンパスと時計を逐次チェックする。

樹林帯でアップダウンが激しく道がない場合は高度計、コンパス、地形図をフル活用して歩く。地形に特徴が少ない場合、迷う可能性もある。完全によまったらGPSを使うか、高度を上げて場所を絞り込むこと。(迷うこと自体を楽しめるとよい。こういう場所は歩いているとドキドキする。明るい広葉樹林で天気が良いと最高に楽しい。)

こころのおまもり

GPSを使って目標物までの距離と方角を表示させる。登山口までの距離と方角がわかると現在地に多少自信がなくても、ものすごく安心する。GPSはコンパスに比べて故障や電池切れの心配があるため絶対にメインのナビ道具にしてはいけない。通常は移動ルートのLoggerであり、万一のときのお守りとしておくこと。